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特定建設業許可とは
建設業許可の区分には「一般建設業許可」と「特定建設業許可」があり、発注者から直接請け負う1件の建設工事につき、下請代金が税込で4500万円以上(建築一式工事は7000万円以上)となる下請契約を締結して施工しようとする場合「特定建設業許可」を持っていなければなりません。
なお、発注者から直接請け負った場合の制限であるため、下請業者が二次下請以降に発注する場合は一般建設業許可業者であっても金額に制限はありません。
複数下請契約がある場合はその合計であることに注意!
「発注者から直接請け負う1件の建設工事につき~」となっているように、1件の建設工事に関して複数の下請契約を結んでいる場合は、そのすべての下請代金の合計が4500万円(建築一式:7000万円)を超える場合は特定建設業許可が必要になる点に注意しましょう。
「別々の下請契約で1件が4500万円未満だから一般建設業許可でいいや!」と考えていると、建設業法違反になってしまう可能性があります。
特定建設業許可の要件(一般建設業許可との比較)
特定建設業許可は一般建設業許可と比べてより厳しい要件が設けられています。
ここでは一般建設業許可と特定建設業許可で要件の異なる部分についてご説明します。
専任技術者
許可を取得する営業所に専任技術者が常勤していなければならない、という点はどちらの許可でも共通していますが、特定建設業許可の専任技術者となるために必要な「資格」や「経験」が異なります。
特定建設業許可の専任技術者の要件
次のいずれかに該当すること。
①所定の資格を有するもの
取得しようとする業種に応じて必要な資格が異なります。
②一般建設業許可の専任技術者になることができる資格+2年間の指導監督的実務経験
☆指導監督的実務経験
建設工事の設計または施工の全般について、元請として工事現場主任または工事現場監督のような資格で工事の技術面を相当的に指導した経験のこと。
一般建設業許可の専任技術者の実務経験は単なる雑務は含まれないものの、下請工事や見習いに従事した経験でも実務経験に含めることができます。
※指導監督実務経験で特定建設業許可の専任技術者として申請する場合は監理技術者証を取得してしまう方が安全に申請ができます。
☆指導監督的実務経験が使えない業種に注意(指定建設業)
建設業は全部で29業種ありますが、そのうちで7つ指定建設業と呼ばれる業種があります(土・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)。
指定建設業は指導監督的実務経験により専任技術者になることはできません。
とび・土工・コンクリート工事 の場合は特定建設業許可の専任技術者になれる
〇 二級土木施工管理技士 + 二年間の指導監督的実務経験
土木一式工事 の場合は指定建設業なので特定建設業許可の専任技術者になれない
× 二級土木施工管理技士 + 二年間の指導監督的実務経験
③国土交通大臣が①、②と同等以上の能力を有するものと認定した者(大臣認定)
具体的な例としては外国での実務経験や外国の資格を有する者を専任技術者にしたい場合等に利用する規定です。
財産的基礎
建設業を営むには、資材の購入、労働者の確保、機材の購入、工事着工の準備資金等を必要とするため、財産的基礎(金銭的信用)を有していることを要件としています。
ここでも、特定建設業許可は一般建設業許可よりも厳しい要件を設けています。
特定建設業許可の財産的基礎
次の全てに該当すること。
- 欠損の額が資本金の20%を超えていないこと。
- 流動比率が75%以上であること。
- 資本金が2,000万円以上あること。
- 自己資本が4,000万円以上あること。
申請時直近の確定した貸借対照表で上記を判断するため、申請時期をよく検討する必要があります。
申請準備を始めた時には要件を満たしていたのに、いざ申請する段階で次期の決算が確定してしまい、そこでは要件を満たしていなかったとなれば特定建設業の許可を取得することはできません。
その場合は申請自体がさらに次の決算確定後まで先延ばしになってしまいます。
特定建設業の場合は申請を決めたらスピーディに許可取得までもっていく必要があるでしょう。
行政書士に依頼するメリット
建設業許可の申請はご自身で行うことももちろん可能です。
新規申請の場合は申請自治体に対して手数料を支払わなければなりませんが、行政書士に依頼すればそれに加えて行政書士への報酬が発生してしまいます。
しかし、建設業許可取得という会社にとって死活問題になり得る申請手続きを安全・確実に行うためには行政書士へ申請代行を依頼することは大変メリットのあることだと思います。
申請代行は当事務所にお任せください!
建設業許可の申請代行はもちろん、自分の会社が一般建設業許可でよいのか、特定建設業許可が必要なのか、どの業種を取得する必要があるのか、そもそも許可は必要なのか当事務所で判断のお手伝いをさせていただきます。
どのようなご相談でも構いませんので、お気軽にお問合せください。